道を聞かれたら、精神科だった話
月曜日は朝のお掃除当番です。
長袖のヒートテックを着ているとはいえ、クリニックの制服は半袖、カーディガンだけでは寒いのです。
あ~、さっさと終わらせたい。
玄関で掃除していたところ、道を尋ねられました。
「〇〇ビルって名前の建物分かりますか?」
えーっと、わたしこのへんの住人じゃないので、聞かれても分かんないんだけどな。
携帯で地図を見せてもらうと、〇〇メンタルクリニックと。
あ~、駅の看板で見かけた。
精神科を探していると誰かに聞くのはとても勇気がいっただろうなと思う。
変な目で見られないかなとか、
避けられないかなとか。
病院のスタッフだったら大丈夫かも、と聞きやすかったのかもしれない。
最初はビルの名前で聞いてきたのは、できるだけ、知られたくないんだよね。
地図を今向いている方に直し、
「今いる場所が郵便局の隣ですね。
この地図だとここの道にあるように見えますが、それらしきビルはないですね。
きっと、もう1本向こうの駅前の通りにあると思います。
そこの横断歩道を渡ってまっすぐ行くと駅前です。
駅まででたら左に曲がったあたりにあると思いますよ。」
若い女性は「ありがとう」と言って歩いていきました。
精神科は初めてなのかな。
急いでいるみたいだけど、予約制なのかな。
わたし、自分で予約の電話したことない。
不安だし、緊張するし。
だから、最初の頃は予約不要のクリニックへ通ってた。
わたしの経験ですが、予約制じゃない精神科はあんまりいいところない。
待ち時間長すぎ&診察時間がめちゃくちゃ短い。
待ち時間長くても平気とか、とりあえず薬さえ出してもらえればいい人向き。
女性の後ろ姿を見て思った。
精神科っていいところも悪いところもあるけど、怖い場所じゃないよ。
だいたい予約時間には始まらないから急がなくていい。
わたしは職場の近くでは通いたくないから、そこへ行くことはないと思う。
でも、いいクリニックだといいね。
治療を受けて、良くなっていくことと応援しています。
たまたま、道を尋ねてきた人が精神科を探していただけ。
わたしも精神科に通ってます、とは言わない。
でも、悩んでいるのは、苦しんでいるのはわたし一人じゃない、
と思った朝でした。