働けないでいることのストレスとは
2012年の8月。リカバリーフォーラムというのに参加しました。
毎年8月に東京で開かれているもので、
どんなものか一言で表現するのが難しいのですが、
「精神障害者のための全国集会」
みたいなものでしょうか。主役は医師でも支援者でもなく、当事者たちです。
もちろん、医師も支援者も参加していて、さまざまな情報を得られます。
でも、全国から集まってくる当事者からの意見やメッセージは一番こころに響くものがあります。
ところで、「リカバリー」とは
精神疾患があっても、自分らしく、自分でも納得のいく人生を送れるようになること。
といことです。
誰かに決めてもらうのではなく、自分が主役になって夢や希望を大切にする。
わたしは分科会で
「IPS(個別就労支援サポートモデル) ~働くことのストレス・働けないでいることのストレス」
に参加しました。
この就労支援システムは、病院や施設に通って訓練をするものではありません。
IPSモデルの基本原則をいくつか紹介すると、
・症状が重いことを理由に就労支援の対象外にしない。
→入院しているから、体力がないから、日常生活が自分でできていないから、生活リズムが整っていないから、週〇日以上通っていないからなど「まだ早い」と言われがちな状況からでもスタートできる。
・施設内でのアセスメントやトレーニングは最小限にし、迅速に職場開拓を実施する。
→就労移行施設や作業所に通って、みんなで作業したり、これができてないと先に進ませてもらえないということはない。
・職探しはスタッフや事業所の都合ではなく、本人の技能や興味に基づく。
→やりたい仕事は自分で決められる。
働きたいのに、働けなかったら・・・
・社会に役立つ一員となれない自分が価値の低い人間だと思う。
・外出する機会が減り、体力が衰える。
・おしゃれしなくなる。
・仕事のあとの一杯や一服を楽しめなくなる。
・交友関係の幅がせまくなる。
・収入がなくなり生活が苦しくなる。
・旅行や買い物に制限がでてくる。
・家族の中でも肩身のせまい思いをする。
・生きている意味がわからなくなる・・・。
働きたいけど働けないときに人はストレスを感じる
・働けないことの理由を探す。
・他人を攻撃して自分の気持ちを隠そうとする。
・働くことの代わりのものを無理して探そうとする。
・子どものような行動をみせるようになる
・その場から逃げ出す。
・ふさぎこんで何もできなくなる。
・働けないことを他人のせいにして攻撃する。
(上記は当日もらった資料による)
働くために何の行動もできず、行き詰っていたわたしにとってはとても有意義な時間でした。
生きてていいと思えなかったり、楽しく生活していいと思えなかったり・・・。
今のわたしは、遊んでいるだけなのか、なまけているのか、できるのにできないことにしているのか・・・。
そんな風に考えていることが、わたしにとって働けないでいることのストレスでした。