心の回復にフットサル 薬減らして運動 仲間と楽しい時間 自信取り戻せる 新聞記事を読んで2
前回のインタビュー記事の続きです。
(一部省略しています)
イ:
最近までこうした効果が分からなかったのはなぜですか。
岡:
精神的な分析や、音楽・絵画療法の方が、高尚だと受け止められ、体を動かすことが軽んじられてきたのではないでしょうか。
ただ、集団スポーツは本人の状態以外に良い方にも悪い方にも影響する要素があるので、純粋な効果を計りにくい難しさはあります。
イ:
副作用はないのですか。
岡:
大会で燃え尽き、症状が悪化して入院した患者さんがいました。
勝つことに固執しすぎたと思います。
フットサルなどのスポーツは仲間と楽しむ、豊かな時間を過ごす生活を得ることが最大の目的です。
治療の手段である一方で、それ自体を楽しむことが生活の目的にもなります。
再発したのは目的がずれたからかもしれません。
イ:
個人で取り組める運動に比べると、応用が難しそうですね。
岡:
スポーツの場には小さな社会が生まれます。
互いを理解して、ルールの中で役割を果たしながら協力しあうことは、社会で必要なことそのものです。
対人関係が苦手な人も、プレーや対話を通じて自信を取り戻します。
競技のほうが目標を持てるので、適切に薬を飲んだり、睡眠を取ったりする自己管理の意欲も高まります。
イ:
負けたり、ミスしたりする経験は、症状を悪化させるのでは。
岡:
私も最初はそう思っていました。
ゴールキーパーだった男性は、自分のミスで負けて号泣しました。
やめるのではと思っていたら、もっと練習して優勝したいと言い始めた。
挫折しても次の目標や希望が作れるのが良い点です。
イ:
そもそも、なぜこのような取り組みを始めたのですか。
岡:
日本の精神医療は以前から多剤大量処方が問題となっていました。
そこで、薬を適切な量に減らすと、副作用も減り、動けるようになった患者さんから『サッカーやフットサルがしたい』という声が相次ぎました。
記事はまだ続きます。
以下はわたしの感想です。
わたしも多剤多量の処方で苦しんでいたときがありました。
抗うつ薬を6~7種類くらいは飲んでいたと思います。
鎮静の効果が強いため、多くなるほど動けなくなる。ぼーっとする。
そういう姿を見て、「良くなっていない」とさらに増やす。
もう症状で意欲が出ず、動けないのか、薬のせいなのか分からないんですよね。
副作用でいろんな症状が出てくる。他科を受診すると、「副作用じゃないですか。薬を減らしてもらってください」と言われ、副作用ではなさそうな症状も「精神的なものじゃないですか。これだけいろんな薬飲んでいるなら、うちで薬は出せません」と。
じゃぁ、どうしたらいいいんですか。
どの病院も医師も「さぁ、分かりません」
こんなんで荒れてたときもありました。
物を投げたり壊したり、攻撃的になったり。
はっきり言って、うつの症状とは別物です。
入院を検討していくつかの病院に行きましたが、荒れている状態のわたし&薬を減らしてほしいという要望を受け入れていれるところはなかったです。
もう遠くでもいいから、ちゃんと診てくれる病院を探そうって見つけたのが前回の記事に書いた病院でした。
「薬は1種類ずつ試しましょう。副作用ができるだけ少ない薬からやっていきましょう」と。
なかなかベッドが空かなくて、1ヶ月以上待ちました。
待っている間も苦しくて、もう諦めて、他の病院を探そうかとも思いました。
やっと入院できて、本当に良かった。
きちんと薬を見直してくれて、苦しいときは話を聞いてくれて。
ちゃんと体を動かしやすくなって、作業療法でたっぷり運動できて、体力もついた。
どんな病院で、どの医師に診てもらえるかによって、回復できるかできないか大きく変わってしまうなんて、本当に悲しいと思っています。
病院を頻繁に変わると「ドクターショッピング」と批判されることがあります。
でも、その医師の治療方針に納得できなかったり、なかなか良くならないのに我慢してまで通い続けなくていいと思います。
精神科って他科と比べると、当たりはずれが多い。
日常生活の深い部分まで話さなけれはならなかったりするので、話しやすい相性も大事。
納得できる医療を求めて、転院することはあり。
入院も病院によってかなり差がありますが、入院治療も悪くはないです。
続く