上を向いて歩こう ゆっくりと♪

精神障害(うつ病+てんかん) 生活のこと、働くこと、お金のこと

「不器用なあなたががんばっていることを分かってくれる人が必ずいるから」

今週のお題「大切な人へ」

医療系の学生だったわたし。

がんばって、成績はトップで、

で、病院実習へ行ったら自信なくして帰ってきた。

 

同じ実習先へ行った友人は成績 不可で単位がとれず、退学した。

もう一年がんばろうよ、あと少しだよ、と声をかけたかったが、

何も言えなかった。

病院実習は苦しい、厳しい。

 

知らない街で知らない人に囲まれ、マンスリーマンションで一人暮らし。

帰ればレポートに追われて睡眠時間も不十分だった。

休日はできるだけ休むようにしていたけれど、激しい疲労感が抜けなかった。

 

歩くのも立っているのもしんどくて、頭は回らない。

 

欠席すると即不可になるため、どうしても休めない。

行くのが精一杯。

どうしてもぼんやりしてしまう。

注意されても、疲労困憊・・・。

もう、無理・・・。

 

「学校の成績は良いくせに、

力抜いてるんでしょ!!」

そんなこと言われてショックだった。

 

もう卒業できなくてもいいや。

やめちゃってもいい。

わたしにとっての初めての挫折だった。

 

それでも、実習期間は終わった。

学校に戻り、それぞれの病院からの評価を説明された。

「1か所目はすごくいい評価をもらってるんだけど、どうした?2か所目は」

教授はめちゃくちゃ厳しいことで有名だ。

怒っているんだろうなと思った。 

 

でも、違った。

「向こうで言われたことは気にしなくていいから。

 ちゃんとできてる。

 自信を持ちなさい。

 すごくおとなしいタイプだから誤解されることもあるのかもしれない。」

 

そうなのだ。

さいころから人と「仲の良い」関係を作るのにものすごく時間がかかる。

ぎこちなくてよそよそしい。

うまくしゃべれない日々が続く。

不器用で何かを覚えるのに時間がかかる。

特に知識より技術的なことは。

環境への適応力がなく、変化を嫌う。

 

努力して、努力して、どんなにがんばっても人並みになれるものなんてほとんどなかった。

 

でも、教授はわたしの4年間を見続けてくれたのだ。

うまくいかなくても、時間がかかってもめげない、そうすることで多少の伸びはある。

 

「不器用なあなたががんばっていることを分かってくれる人は必ずいるから」

そう言ってくれた。

 

その後、卒業し、国家試験にも合格した。

 

しかし、数年後にはうつ病になり、仕事を続けられなくなった。

辛くて、苦しくて、生きることなんて考えられない時期をたくさん乗り越えて、

 

何かうまくいかないたびに教授の言葉を思い出す。

あきらめないでいようと前に進む力になる。